中学社会670081 views
MathPython501700 views
小学算数1203731 views
数学講師2913151 views
中学理科1633649 views
高校化学2933198 views
高校倫理1444503 views
ヒストリア294981 views
教育150077 views
雑学1474218 views
Help
Tools

English

2 次と 3 次の行列式、計算問題で手を動かす

次はたすき掛けで 。 次はサラスの方法か余因子展開のどちらかです[1]。

次より大きくなるとサラスは使えません。 の多い行や列を選んで展開するか、行基本変形で を作ってから展開します。

以下 14 問。基本の計算から、文字を含む式、性質を使った確かめまで並べました。

サラスの方法

次に限って使える手順です。右下がりの 3 本を足し、右上がりの 3 本を引きます[2]。

項で、これはライプニッツの公式の 項と一致します。 次では 項になるので、たすき掛けの 本では足りません。

問題 1

です。

問題 2

。負号の掛け算で符号を落としやすいところです。

問題 3

第 1 行で展開します。

になりました。第 1 行から第 2 行の 倍を引き、第 3 行を足すとすべて になるので、行が一次従属です[1]。

問題 4

第 1 列に があるので、そこで展開すると 次が 2 個で済みます。

の位置を先に探すと、計算量が変わります[3]。

問題 5

第 3 列は 。 が 1 つあるので、ここで展開します。

符号は 、。市松模様で確かめます。

問題 6

サラスの方法で計算してください。

右下がりの 3 本は 、、。

右上がりの 3 本は 、、。

第 1 行の余因子展開でも で一致します。

問題 7

上三角行列なので、対角成分の積で 。

展開でも同じです。第 1 列で展開すると 次の上三角が残り、また対角の積になります。

問題 8

行を入れ替えると行列式がどうなるかを確かめてください。

符号だけが変わりました。交代性そのものです[1]。

問題 9

の 次行列と、 の 次行列について、 と を求めてください。

なので、 次なら 倍、 次なら 倍。

、 です。 乗になる点を落としやすいところです。

問題 10

次が になる を求めてください。

より 。このとき 本の列が一次従属になります。

なら 列が同じ、 なら一方が他方の 倍です。

問題 11

次が になる を求めてください。

第 1 行で展開します。

より 。このとき 3 行すべてが同じになります。

問題 12

行基本変形を使って計算してください。

第 2 行から第 1 行の 倍、第 3 行から第 1 行の 倍を引きます。値は変わりません。

第 1 列に が 2 つ並んだので、 次の行列式 1 個で終わりました。

問題 13

を確かめてください。

、 で、積は 。

一致しました。 には同じ規則がない点が対比になります。

問題 14

を確かめてください。

第 1 行で展開すると 。

転置した行列で同じ計算をすると 。一致します。

行と列を入れ替えても値が変わらないので、列で証明した性質はそのまま行にも使えます[1]。

の位置を探す

なければ行基本変形で作る

の多い行か列で展開する

検算のしかた

別の行または列で展開し直します。どこで展開しても同じ値なので、違えばどちらかに計算違いがあります。

問題 6 の なら、サラスで 、第 1 行の展開でも 。2 通りで一致しました。

上三角に変形して対角の積をとる方法も確かめになります。問題 12 は変形後の対角が で積が 、答えと合います。

が出たときは、行や列が一次従属になっていないかを見ます。問題 3 では第 1 行と第 3 行の和が第 2 行の 倍で、従属だと確かめられます。

次の行列式にサラスの方法を当てはめると、何が起こりますか。

  • 正しく計算できる
  • 項が足りず、誤った値になる
  • 符号だけがずれる
__RESULT__

次のライプニッツの公式は 項です。たすき掛けを 列に伸ばしても 項しか出ないので、まったく足りません。サラスは 次に限った手順です。

性質を使った計算も確かめます。

次行列 で のとき、 はいくらですか。

__RESULT__

で 、 なので です。列が 本あり、それぞれから が外へ出ます。 は を 1 回しか出していない値になります。

次はたすき掛け、 次はサラスか展開。 次以上は を作ってから展開する。この 3 段で、手計算の範囲はだいたい片づきます。

参考文献

Sergei Treil. *Linear Algebra Done Wrong*, Chapter 3. Brown University.
Andreas Gathmann. *Determinanten*. Grundlagen der Mathematik, RPTU Kaiserslautern.
DET-0050: The Laplace Expansion Theorem. Linear Algebra, The Ohio State University.
$2$ 次は $ad - bc$、$3$ 次はサラスの方法か余因子展開。どちらで解いても同じ値が出ます。14 問で、$0$ の位置を先に探す習慣、上三角なら対角の積で済むこと、行を入れ替えると符号が反転すること、$\det(cA) = c^n \det A$ で $n$ 乗になることを順に確かめました。文字を含む行列式が $0$ になる条件、行基本変形で $0$ を作ってから展開する手順、$\det(AB) = \det A \det B$ と $\det(A^{\mathsf{T}}) = \det A$ の検算も入れています。サラスが $3$ 次でしか使えない理由は、$4! = 24$ 項に対してたすき掛けが $8$ 本しか出ないことにあります。