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シグマの中に k/n が見えたら積分に直す(区分求積法の計算問題)

は です。和を先に計算してから極限をとるのではありません。和のほうを積分に読み替えます。

が短冊の幅、 が短冊の立っている位置です[3]。この つが見えた時点で、和は積分になります。

短冊の幅と高さ

区間 を 等分すると、 本の幅は 。 番目の右端は にあります。

高さを にとると、 本の面積が 。全部足したものが和です。

を大きくすると短冊は細くなり、面積の合計は曲線の下の面積に近づく。これが積分の定義そのものです[2]。

減っていく関数なので、右端で高さをとった和は積分より小さくなります。図の数値がいつも の手前にいるのは、そのためです。

3 つの読み替え

やることは つだけです。 を に、 を に、 の走る範囲を積分区間に直します。

区間を 等分して右端で高さをとる形は、等分割のリーマン和と呼ばれるものにあたります[1]。

むずかしいのは つ目です。 が式の中に隠れていることが多く、それを表に出す変形が実際の手間になります。

問題 1:k の 2 乗を n の 3 乗で割る

を求めよ。

解答 1

分母の を と に分けます。 を外に出すと、残りが になる。

この問題は和の公式でも解けます。 の極限は で、確かに一致しました。

問題 2:分母が n と k の和

を求めよ。

解答 2

第 項は です。分母と分子を で割ると が出てきます。

したがって 。値は ほどです。

和の公式は使えません。 の和に閉じた形はなく、積分に読み替えるしか道がない型です。

問題 3:分母が 2 乗の和

を求めよ。

解答 3

分母と分子を で割ります。分子の は になり、分母は になる。

積分すると です。

目印は、分子に が つ立っていること。これが の変装した姿です。

問題 4:根号の中に n の 2 乗

を求めよ。

解答 4

根号の中から をくくり出すと、外へ が出ます。

あとは積分するだけ。 になります。

数値では ほど。根号を含む型でも、 をくくり出す一手で が現れます。

問題 5:k が 0 から始まる

を求めよ。

解答 5

なので、 とみます。

ほどです。 が から まででも、 から まででも、答えは変わりません。

端の 1 項は効かない

の始まりと終わりが つずれても極限は動きません。差は に の値を掛けた 項だけで、 で へ行くため。

短冊の左端で高さをとるか、右端でとるか。この違いも同じ理由で消えます[2]。

そのかわり、 の走る範囲が n に比例して伸びる ときは話が別です。

項ぶんではなく区間そのものが変わるので、積分区間をとり直す。

問題 と問題 がその型になります。

問題 6:k を 2n で割る形

を求めよ。

解答 6

と読み替えます。 を と置くのではありません。

外に出ている が幅を決めているので、 に対応するのは のほうです。 は関数の中に押し込みます。

問題 7:k が n + 1 から始まる

を求めよ。

解答 7

と書くと、 は から まで走ります。

問題 と同じ値になりました。それもそのはずで、 と は同じ和です。

同じ和が、区間 の積分とも区間 の積分とも読めます。どちらで読んでも値は一致する。

問題 8:k が 3n まで走る

を求めよ。

解答 8

は から まで動きます。区間を にとる。

を見て と決めつけると、ここで落ちます。区間を決めるのは の走る範囲です。

問題 9:p 乗の和

とする。 を求めよ。

解答 9

分母を と分けます。問題 の を一般にしただけです。

なら 、 なら 。 が整数でなくても、 なら になります。

和の公式が使えるのは が小さい整数のときだけ。積分のほうは を選びません。

積の形は対数で和に直す

積の極限にも使えます。 をとれば積が和になり、和が積分になるためです。

積の形の極限をとる

対数をとって和に直す

区分求積で積分に読み替える

指数関数に戻す

最後に の肩へ戻すのを忘れると、答えが対数のまま残ります。

問題 10:n 乗根と積

を求めよ。

解答 10

乗根の中の積は 個です。 を根号の中へ入れると、 が 個ぶんになる。

対数をとると和になります。

指数に戻して 。数値では ほどになります。

問題 11:階乗の n 乗根

を求めよ。

解答 11

を根号の中へ入れる手は同じです。

対数をとると で、 です。

答えは 。 ほどになります。

端で発散する場合

問題 の は で下へ発散します。区分求積の定理は有界な関数について述べたものなので、そのままでは枠の外です[2]。

それでも結論は変わりません。 が単調増加なので、 の項を切り離せば残りは有界な範囲に収まり、切り離した も へ行くためです。

答案では、広義積分が収束することを一言添えておけば足ります。

問題 12:区分求積では書けない形

を求めよ。

解答 12

同じ手を当ててみます。 をくくり出すと、中に残るのは です。

ではないので、区分求積の形になりません。ここははさみうちに切り替えます。

の範囲で なので、 項を足すと次が成り立ちます。

両端とも に収束するので、答えは です。

問題 との差は と の 文字だけ。それで手法が変わります。

区分求積が使える

で割ったとき、中身が の関数になる

はさみうちに回る

中身が など、 を大きくすると各項が同じ値へつぶれる

検算のしかた

区分求積には、向きの決まった検算があります。 が単調なら、和と積分の大小が最初から分かるため。

が減っていく関数なら、右端で高さをとった和は積分より小さくなる。増えていく関数なら大きくなります。

問題 で として計算すると、。

なので、確かに下から近づいています。向きが合わなければ、どこかで式を写し違えている。

分母と分子を n で割り、1/n を表に出したか。
残った部分が k/n だけの関数になっているか。
k の走る範囲から積分区間をとり直したか。
積の形なら、最後に指数へ戻したか。

シグマの中に を見つける。あとは幅の を表に出して、区間を読むだけです。

参考文献

The Definite Integral. Calculus Volume 1, OpenStax.
Riemann integral. Encyclopedia of Mathematics.
Sommes de Riemann. Bibm@th.
$1/(n+1)$ から $1/(2n)$ まで足すと $\log 2$ に収束します。和を計算してから極限をとるのではなく、$1/n$ を短冊の幅、$k/n$ を横座標と読み替える。分子に立った $n$ が $1/n$ に化ける型、根号から $n^2$ をくくり出す型、$k$ が $n+1$ から $3n$ まで走って積分区間ごと動く型まで $12$ 問。積の極限は対数をとって和に直し、最後に指数へ戻す。$k/n^2$ が残ってはさみうちに回る例と、単調性から和と積分の大小が先に決まる検算も入れました。