小学理科719722 views
教育149489 views
世界の国564225 views
数学講師2884354 views
いろは3009445 views
中学理科1630357 views
高校日本史190523 views
英語613300 views
中学数学623665 views
中学英語811440 views

シグマの中に k/n が見えたら積分に直す(区分求積法の計算問題)

です。和を先に計算してから極限をとるのではありません。和のほうを積分に読み替えます。

が短冊の幅、 が短冊の立っている位置です[3]。この つが見えた時点で、和は積分になります。

短冊の幅と高さ

区間 等分すると、 本の幅は 番目の右端は にあります。

高さを にとると、 本の面積が 。全部足したものが和です。

を大きくすると短冊は細くなり、面積の合計は曲線の下の面積に近づく。これが積分の定義そのものです[2]

減っていく関数なので、右端で高さをとった和は積分より小さくなります。図の数値がいつも の手前にいるのは、そのためです。

3 つの読み替え

やることは つだけです。 に、 に、 の走る範囲を積分区間に直します。

区間を 等分して右端で高さをとる形は、等分割のリーマン和と呼ばれるものにあたります[1]

むずかしいのは つ目です。 が式の中に隠れていることが多く、それを表に出す変形が実際の手間になります。

問題 1:k の 2 乗を n の 3 乗で割る

を求めよ。

解答 1

分母の に分けます。 を外に出すと、残りが になる。

この問題は和の公式でも解けます。 の極限は で、確かに一致しました。

問題 2:分母が n と k の和

を求めよ。

解答 2

項は です。分母と分子を で割ると が出てきます。

したがって 。値は ほどです。

和の公式は使えません。 の和に閉じた形はなく、積分に読み替えるしか道がない型です。

問題 3:分母が 2 乗の和

を求めよ。

解答 3

分母と分子を で割ります。分子の になり、分母は になる。

積分すると です。

目印は、分子に つ立っていること。これが の変装した姿です。

問題 4:根号の中に n の 2 乗

を求めよ。

解答 4

根号の中から をくくり出すと、外へ が出ます。

あとは積分するだけ。 になります。

数値では ほど。根号を含む型でも、 をくくり出す一手で が現れます。

問題 5:k が 0 から始まる

を求めよ。

解答 5

なので、 とみます。

ほどです。 から まででも、 から まででも、答えは変わりません。

端の 1 項は効かない

の始まりと終わりが つずれても極限は動きません。差は の値を掛けた 項だけで、 へ行くため。

短冊の左端で高さをとるか、右端でとるか。この違いも同じ理由で消えます[2]

そのかわり、 の走る範囲が n に比例して伸びる ときは話が別です。

項ぶんではなく区間そのものが変わるので、積分区間をとり直す。

問題 と問題 がその型になります。

問題 6:k を 2n で割る形

を求めよ。

解答 6

と読み替えます。 と置くのではありません。

外に出ている が幅を決めているので、 に対応するのは のほうです。 は関数の中に押し込みます。

問題 7:k が n + 1 から始まる

を求めよ。

解答 7

と書くと、 から まで走ります。

問題 と同じ値になりました。それもそのはずで、 は同じ和です。

同じ和が、区間 の積分とも区間 の積分とも読めます。どちらで読んでも値は一致する。

問題 8:k が 3n まで走る

を求めよ。

解答 8

から まで動きます。区間を にとる。

を見て と決めつけると、ここで落ちます。区間を決めるのは の走る範囲です。

問題 9:p 乗の和

とする。 を求めよ。

解答 9

分母を と分けます。問題 を一般にしただけです。

なら なら が整数でなくても、 なら になります。

和の公式が使えるのは が小さい整数のときだけ。積分のほうは を選びません。

積の形は対数で和に直す

積の極限にも使えます。 をとれば積が和になり、和が積分になるためです。

積の形の極限をとる

対数をとって和に直す

区分求積で積分に読み替える

指数関数に戻す

最後に の肩へ戻すのを忘れると、答えが対数のまま残ります。

問題 10:n 乗根と積

を求めよ。

解答 10

乗根の中の積は 個です。 を根号の中へ入れると、 個ぶんになる。

対数をとると和になります。

指数に戻して 。数値では ほどになります。

問題 11:階乗の n 乗根

を求めよ。

解答 11

を根号の中へ入れる手は同じです。

対数をとると で、 です。

答えは ほどになります。

端で発散する場合

問題 で下へ発散します。区分求積の定理は有界な関数について述べたものなので、そのままでは枠の外です[2]

それでも結論は変わりません。 が単調増加なので、 の項を切り離せば残りは有界な範囲に収まり、切り離した へ行くためです。

答案では、広義積分が収束することを一言添えておけば足ります。

問題 12:区分求積では書けない形

を求めよ。

解答 12

同じ手を当ててみます。 をくくり出すと、中に残るのは です。

ではないので、区分求積の形になりません。ここははさみうちに切り替えます。

の範囲で なので、 項を足すと次が成り立ちます。

両端とも に収束するので、答えは です。

問題 との差は 文字だけ。それで手法が変わります。

区分求積が使える

で割ったとき、中身が の関数になる

はさみうちに回る

中身が など、 を大きくすると各項が同じ値へつぶれる

検算のしかた

区分求積には、向きの決まった検算があります。 が単調なら、和と積分の大小が最初から分かるため。

が減っていく関数なら、右端で高さをとった和は積分より小さくなる。増えていく関数なら大きくなります。

問題 として計算すると、

なので、確かに下から近づいています。向きが合わなければ、どこかで式を写し違えている。

分母と分子を n で割り、1/n を表に出したか。
残った部分が k/n だけの関数になっているか。
k の走る範囲から積分区間をとり直したか。
積の形なら、最後に指数へ戻したか。

シグマの中に を見つける。あとは幅の を表に出して、区間を読むだけです。

参考文献

The Definite Integral. Calculus Volume 1, OpenStax.
Riemann integral. Encyclopedia of Mathematics.
Sommes de Riemann. Bibm@th.
$1/(n+1)$ から $1/(2n)$ まで足すと $\log 2$ に収束します。和を計算してから極限をとるのではなく、$1/n$ を短冊の幅、$k/n$ を横座標と読み替える。分子に立った $n$ が $1/n$ に化ける型、根号から $n^2$ をくくり出す型、$k$ が $n+1$ から $3n$ まで走って積分区間ごと動く型まで $12$ 問。積の極限は対数をとって和に直し、最後に指数へ戻す。$k/n^2$ が残ってはさみうちに回る例と、単調性から和と積分の大小が先に決まる検算も入れました。