加群の台(サポート)と随伴素イデアル
加群の台(サポート)と随伴素イデアルは、加群の「局所的な振る舞い」を素イデアルを通じて捉える概念である。加群がどこで非ゼロか、どこで「本質的な情報」をもつかを記述する。
加群の台
を可換環、 を -加群とする。 の台(support)とは
で定義される の部分集合である。 は における の局所化を表す。
直感的には、 は が「生きている」場所を示している。 ならば、 の近傍では はゼロに見える。
台の計算(有限生成の場合)
が有限生成ならば 。台は零化イデアルを含む素イデアル全体に等しい。
台の閉性
有限生成加群の台はザリスキ位相で閉集合となる。
随伴素イデアル
の随伴素イデアル(associated prime)とは、ある の零化イデアル が素イデアルとなるものをいう。随伴素イデアル全体の集合を と書く。
随伴素イデアルは加群の「本質的な素イデアル」を捉える。台より精密な情報を与えることが多い。
台
局所化が非ゼロとなる素イデアル全体。一般に大きい集合。
随伴素イデアル
零化イデアルとして実現される素イデアル。より精密な情報。
台と随伴素イデアルの関係
をネーター環、 を有限生成 -加群とする。このとき次が成り立つ。
であり、 の極小元は に属する。したがって
が成り立つ。台は随伴素イデアルから「生成」されるのである。
有限性
ネーター環上の有限生成加群に対し、 は有限集合である。これは準素分解の理論と密接に関係している。
ならば である。つまり、非ゼロ有限生成加群は必ず随伴素イデアルをもつ。
具体例
、 を考える。 であり、 なので となる。
を求めると、 である。実際、 に対し となる。この例では と一致している。