Noether正規化定理

Noether 正規化定理は、有限生成代数が多項式環の整拡大として実現できることを主張する定理です。代数幾何学における次元論の基礎となります。

定理の主張

Noether 正規化定理

を体、 を有限生成 -代数で整域とする。このとき、ある非負整数 と元 が存在して

が整拡大となる。ここで 上代数的独立。

の超越次数 に等しく、 の Krull 次元とも一致します。

幾何学的意味

がアファイン多様体 の座標環のとき、Noether 正規化は次のことを意味します。

という有限射影射(整拡大に対応)が存在する。

直観的には、 次元空間内の多様体を 次元空間に「有限対一で射影」できるということです。

証明の概略

が多項式環の場合、 として とすれば自明です。

の場合、帰納法を使います。 でない元とし、 について整理すると

でないときは座標変換 (適切な )を行って主係数を定数にできます( が無限体の場合は一次変換で十分)。

すると 上整となり、帰納法が適用できます。

Noether 正規化定理からいくつかの重要な結果が従います。

次元公式

有限生成 -代数 (整域)に対し

Hilbert の零点定理(弱形式)

を代数閉体、 を真のイデアルとすると、

一般化

整域でない場合や、係数が体でない場合への一般化もあります。

が整域でなくても、 上有限生成なら準素分解を用いて各成分に適用可能
がネーター環の場合にも類似の結果がある(Nagata の一般化)

具体例

平面曲線

に対し、 は整拡大。 を満たすので 上整。

曲面

に対し、 は整拡大。 を満たす。

アルゴリズム的側面

Noether 正規化の を具体的に求めるアルゴリズムが知られています。Gröbner 基底を用いた方法が計算代数幾何学で使われます。