半局所環

半局所環は、有限個の極大イデアルをもつ環である。局所環の一般化であり、有限個の点の近傍を同時に扱う際に現れる。

定義

可換環 半局所環(semilocal ring)であるとは、 の極大イデアルが有限個であることをいう。極大イデアルの個数が 1 のときが局所環であり、半局所環はその一般化だ。

の Jacobson 根基 は、すべての極大イデアルの共通部分として定義される。半局所環では が有限個のイデアルの共通部分となる。

局所環

極大イデアルが 1 つ。(唯一の極大イデアル)。

半局所環

極大イデアルが有限個。

基本性質

半局所環 の極大イデアルを とする。このとき、中国剰余定理により

が成り立つ。 は体の有限直積、すなわち半単純環である。

Jacobson 根基

すべての極大イデアルの共通部分。半局所環で重要な役割を果たす。

剰余環の構造

は体の直積。各成分は各極大イデアルでの剰余体に対応。

整数環の局所化 は局所環だが、 は素数)による局所化は半局所環である。極大イデアルは の 2 つだ。

は半局所環である。極大イデアルは の像であり、

と分解する。これは 2 点からなる離散的な図形に対応している。

半局所環の完備化

半局所環 -進完備化 も半局所環となる。極大イデアルの個数は完備化で保たれる。

完備半局所環は、完備局所環の有限直積として分解する。

ここで各 -進完備化である。

幾何学的意味

代数幾何学において、半局所環は有限個の点からなる部分スキームの近傍に現れる。局所環が 1 点の近傍を扱うのに対し、半局所環は有限個の点を同時に扱える。

たとえば、曲線上の 2 点 を同時に考えるとき、その局所環は半局所環となる。分岐理論や交点理論で自然に現れる設定だ。

有限次元代数との関係

上の有限次元 -代数は半局所環である。特に、(有限群 の群環)は半局所環であり、 または のとき半単純となる。

表現論において、半局所環とその完備化は基本的な対象である。