次の問いに答えよ。
(1) a を実数とする。x についての方程式 x - \tan x = a の実数解のうち,|x| < \dfrac{\pi}{2} を満たすものがちょうど 1 個あることを示せ。
(2) 自然数 n に対し,x - \tan x = n\pi かつ |x| < \dfrac{\pi}{2} を満たす実数 x を x_n とおく。t を |t| < \dfrac{\pi}{2} を満たす実数とする。このとき,曲線 C : y = \sin x 上の点 \mathrm{P}(t,\ \sin t) における接線が,不等式 x \geqq \dfrac{\pi}{2} の表す領域に含まれる点においても曲線 C と接するための必要十分条件は,t が x_1,x_2,x_3,\cdots のいずれかと等しいことであることを示せ。
f(x) = x - \tan x とおきます。|x| < \dfrac{\pi}{2} で導関数は 0 以下になり、0 になるのは x = 0 のときだけ。
f'(x) = 1 - \dfrac{1}{\cos^2 x} = -\tan^2 x \leqq 0
f はこの区間で単調に減少し、区間の両端に近づくときの極限は次のとおりです。
\displaystyle\lim_{x \to -\frac{\pi}{2} + 0} f(x) = \infty、\displaystyle\lim_{x \to \frac{\pi}{2} - 0} f(x) = -\infty
f は連続で、値は \infty から -\infty まで減り続ける。どの実数 a についても、f(x) = a を満たす x はちょうど 1 個あります。
C 上の点 (u,\ \sin u) における接線は y = x\cos u - u\cos u + \sin u です。\mathrm{P} における接線と同じ直線になるのは、傾きと y 切片がどちらも等しいとき。
\cos u = \cos t、\sin u - u\cos u = \sin t - t\cos t
この 2 つを満たす u が u \geqq \dfrac{\pi}{2} の範囲にあるかどうかを調べます。
|t| < \dfrac{\pi}{2} より \cos t > 0。\cos u = \cos t を満たす u は、m を整数として u = 2m\pi + t か u = 2m\pi - t と書け、u \geqq \dfrac{\pi}{2} になるのは m \geqq 1 のときです。
図の短い線分は、u = 2\pi + t と u = 2\pi - t における接線。どちらも \mathrm{P} における接線と平行になる。
u = 2m\pi + t なら \sin u = \sin t で、y 切片の条件は 2m\pi\cos t = 0 になります。\cos t > 0、m \geqq 1 だから成り立たない。
u = 2m\pi - t なら \sin u = -\sin t で、y 切片の条件は次の形です。
-\sin t - (2m\pi - t)\cos t = \sin t - t\cos t
整理すると \sin t = (t - m\pi)\cos t。両辺を \cos t > 0 で割ると、x_m を決めた式と同じ形になる。
t - \tan t = m\pi
(1) から、|t| < \dfrac{\pi}{2} でこの式を満たす t はただ 1 つで、それが x_m です。図の点は y = x - \tan x と y = \pi、2\pi、3\pi の交点で、その x 座標が x_1、x_2、x_3。
t = x_m のとき、u = 2m\pi - t とおきます。u > 2m\pi - \dfrac{\pi}{2} \geqq \dfrac{3}{2}\pi で、u は x \geqq \dfrac{\pi}{2} の範囲にある。
\cos u = \cos t が成り立ち、t - \tan t = m\pi を前の場面と逆にたどると y 切片の条件も成り立ちます。\mathrm{P} における接線は、点 (u,\ \sin u) でも C に接する。
求める必要十分条件は、t が x_1、x_2、x_3、\cdots のいずれかと等しいことです。
図は t = x_1 と t = x_2 のときの接線。x = 2\pi - x_1 と x = 4\pi - x_2 で、もう一度 C に接している。