r を正の実数とする。複素数平面上で,点 z が点 \dfrac{3}{2} を中心とする半径 r の円周上を動くとき,z + w = zw を満たす点 w が描く図形を求めよ。
z + w = zw の z を右辺へ移すと w = zw - z = z(w - 1) です。w = 1 を代入すると左辺は 1、右辺は 0 となって成り立たないため、w \neq 1 に限られ、両辺を w - 1 で割れる。
z = \dfrac{w}{w - 1}
同じ等式の w を右辺へ移した z = w(z - 1) からは、z \neq 1 と w = \dfrac{z}{z - 1} が導けます。1 以外の z と 1 以外の w は、この 2 つの式で 1 つずつ対応する。
そこで、点 z が円の上にある条件を w だけの式に直します。図は r = 1 のときで、z が円を 1 周するあいだに w も別の円を 1 周する。
点 z が中心 \dfrac{3}{2}、半径 r の円の上にある条件は、2 倍して分数を消すと |2z - 3| = 2r と書けます。ここに z = \dfrac{w}{w - 1} を代入する。
\begin{aligned} 2z - 3 &= \dfrac{2w - 3(w - 1)}{w - 1} \\ &= \dfrac{3 - w}{w - 1} \end{aligned}
絶対値をとって両辺に |w - 1| をかけ、|3 - w| = |w - 3| と書きなおすと、条件は次の形になります。
|w - 3| = 2r|w - 1|
左辺は点 w と点 3 の距離、右辺は点 w と点 1 の距離の 2r 倍。r = 1 の図では、w が円のどこにあっても、点 3 への線分と点 1 への線分の長さの比は 2 : 1 に保たれる。
w = 1 では左辺は 2、右辺は 0 で、この等式を満たしません。等式を満たす w はどれも 1 でなく、z = \dfrac{w}{w - 1} で円の上の点に戻ります。
2r = 1 だから |w - 3| = |w - 1| となり、点 w は点 1 と点 3 から等しい距離にある。こうした点が並ぶのは 2 点を結ぶ線分の垂直二等分線の上で、点 2 を通って実軸に垂直な直線です。
このときの円は点 1 を通り、z = 1 には対応する w がありません。z が 1 に近づくと w は直線に沿って遠ざかり、直線上のどの点も 1 以外の z と対応するため、直線全体が w の描く図形になる。
k = 2r とおき、w = x + yi と書いて |w - 3|^2 = k^2|w - 1|^2 を x、y で表します。
(x - 3)^2 + y^2 = k^2\{(x - 1)^2 + y^2\}
展開して整理すると、x^2 + y^2 の係数は 1 - k^2 になる。
\begin{aligned} &(1 - k^2)(x^2 + y^2) \\ &\quad - 2(3 - k^2)x + 9 - k^2 = 0 \end{aligned}
k \neq 1 だから 1 - k^2 で割れます。x について平方完成すると、右辺の分子は (3 - k^2)^2 - (9 - k^2)(1 - k^2) = 4k^2 となる。
\left(x - \dfrac{3 - k^2}{1 - k^2}\right)^2 + y^2 = \dfrac{4k^2}{(1 - k^2)^2}
k = 2r に戻すと、求める図形は次のとおりです。r = \dfrac{1}{2} のときは点 2 を通って実軸に垂直な直線、r \neq \dfrac{1}{2} のときは中心 \dfrac{3 - 4r^2}{1 - 4r^2}、半径 \dfrac{4r}{|1 - 4r^2|} の円。
r < \dfrac{1}{2} の円は内側に点 3 を含み、r > \dfrac{1}{2} の円は内側に点 1 を含みます。図は r = \dfrac{1}{4} と r = 1 の場合を交互に描いたもの。