東北大学理系 2022 年・第 2 問

a を実数とし,実数 x の関数 f(x) = (x^2 + 3x + a)(x + 1)^2 を考える。

(1) f(x) の最小値が負となるような a のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) a < 2 のとき,f(x) は 2 つの極小値をもつ。このとき,f(x) が極小となる x の値を \alpha_1,\alpha_2 (\alpha_1 < \alpha_2) とする。f(\alpha_1) < f(\alpha_2) を示せ。

(3) f(x) が x < \beta において単調減少し,かつ,x = \beta において最小値をとるとする。このとき,a のとりうる値の範囲を求めよ。

(1) 符号は x^2 + 3x + a で決まる

(x + 1)^2 は 0 以上だから、f(x) が負になるのは x^2 + 3x + a < 0 かつ x \neq -1 のときに限られます。

x^2 + 3x + a が負の値をとるのは、判別式 9 - 4a を正にする a < \dfrac{9}{4} のとき。負になる x は 2 つの解にはさまれた区間をなし、そこには x = -1 以外の点もあるため、f(x) < 0 となる x がある。

f(x) は x^4 の係数が正の 4 次関数で、最小値をもちます。a < \dfrac{9}{4} ならその最小値は負、a \geqq \dfrac{9}{4} なら f(x) \geqq 0 で最小値は f(-1) = 0 になる。

求める範囲は a < \dfrac{9}{4}。図は a を 1、2、\dfrac{9}{4}、3 と変えたときの y = x^2 + 3x + a で、x 軸上の太い線が f(x) < 0 となる範囲です。

f'(x) を因数分解する

x^2 + 3x + a の導関数は 2x + 3、(x + 1)^2 の導関数は 2(x + 1) です。積の微分を使うと 2 つの項がどちらも x + 1 を含み、f'(x) は次の形にまとまる。

f'(x) = (x + 1)g(x)

ここで g(x) は (2x + 3)(x + 1) + 2(x^2 + 3x + a) で、展開すると g(x) = 4x^2 + 11x + 2a + 3。

g(-1) = 2a - 4 だから、a < 2 なら g(-1) < 0 となり、g(x) = 0 は -1 をはさんで 2 つの解をもちます。

その解を小さい順に \alpha_1、\alpha_2 とおくと、f'(x) は x < \alpha_1 で負、\alpha_1 < x < -1 で正、-1 < x < \alpha_2 で負、\alpha_2 < x で正。極小になるのはこの 2 つで、x = -1 では極大になります。

図は a = 0 の場合で、f(x) = x(x + 3)(x + 1)^2。

(2) x = -1 を軸に折り返す

x = -1 + u とおくと x^2 + 3x + a = u^2 + u + a - 2 となり、f(x) は u の式で次のように書けます。

f(-1 + u) = u^4 + u^3 + (a - 2)u^2

u を -u に替えると、u^3 の項だけ符号が変わる。差をとると次の式になります。

f(-1 + u) - f(-1 - u) = 2u^3

u > 0 なら右辺は正で、x = -1 から右へ u 進んだ点の値は、左へ u 進んだ点の値より 2u^3 だけ大きい。図の点線は、右側のグラフを x = -1 で左へ折り返したものです。

\alpha_2 > -1 だから u = \alpha_2 + 1 は正で、代入すると f(\alpha_2) > f(-2 - \alpha_2)。

-2 - \alpha_2 は -1 より左にあり、x \leqq -1 の範囲で f(x) がいちばん小さくなるのは x = \alpha_1 だから f(-2 - \alpha_2) \geqq f(\alpha_1)。2 つをつなげて f(\alpha_1) < f(\alpha_2) が示せました。

(3) \beta はいちばん左の極小点

f(x) が減少から増加に変わるいちばん左の点を x_0 とします。x < \beta で減少するには \beta \leqq x_0 が必要で、\beta < x_0 だと f(x_0) < f(\beta) となり、f(\beta) は最小値になれない。

したがって \beta = x_0 で、条件は f(x_0) が最小値であることに言いかえられます。

a < 2 では x_0 = \alpha_1。極小値は f(\alpha_1) と f(\alpha_2) だけで、(2) から f(\alpha_1) < f(\alpha_2) となり、最小値は f(\alpha_1) です。a < 2 はすべて条件を満たす。

図は a = 0 の場合。x < \alpha_1 でグラフは下がり続け、x = \alpha_1 の値より下にグラフはない。

(3) a \geqq 2 では g(x) = 0 の解の位置を見る

a \geqq 2 では g(-1) = 2a - 4 \geqq 0。g(x) の軸 x = -\dfrac{11}{8} は -1 より左にあるから、g(x) = 0 の解は、あれば -1 以下に並ぶ。判別式は D = 121 - 16(2a + 3) = 73 - 32a です。

a \geqq \dfrac{73}{32} では D \leqq 0 で g(x) \geqq 0。f'(x) の符号は x + 1 と同じになり、f(x) は x < -1 で減少して x = -1 で最小値 0 をとるため、条件を満たします。

a = 2 では g(x) = (x + 1)(4x + 7) で、f'(x) = (x + 1)^2(4x + 7)。f(x) は x = -\dfrac{7}{4} を境に減少から増加へ変わるだけで、\beta = -\dfrac{7}{4} として条件を満たす。

図は a を 2、\dfrac{9}{4}、\dfrac{73}{32}、\dfrac{5}{2} と変えたときの y = g(x) です。a が大きくなるほど、グラフは上へずれる。

(3) 2 < a < \dfrac{73}{32} の場合

このとき g(x) = 0 は -1 より左に 2 つの解 \gamma_1 < \gamma_2 をもち、f(x) は x = \gamma_1 と x = -1 で極小になる。x_0 = \gamma_1 だから、条件は f(\gamma_1) \leqq f(-1) = 0 です。

a < \dfrac{9}{4} なら、(1) から f(x) の最小値は負。x = -1 ではないもう 1 つの極小点 x = \gamma_1 で最小値をとり、条件を満たします。

a = \dfrac{9}{4} なら f(x) = \left(x + \dfrac{3}{2}\right)^2(x + 1)^2 で、\gamma_1 = -\dfrac{3}{2} において f(\gamma_1) = 0。これも条件を満たす。

\dfrac{9}{4} < a < \dfrac{73}{32} では x^2 + 3x + a > 0 で、x \neq -1 のとき f(x) > 0。最小値をとるのは x = -1 だけで、その左で f(x) は一度増えるため、条件を満たさない。

図は x = -1 の左側を縦に拡大したもので、a = 2.25 と 2.27 の違いが見えます。外れるのは \dfrac{9}{4} = 2.25 と \dfrac{73}{32} = 2.28125 のあいだだけ。

求める範囲は a \leqq \dfrac{9}{4} または a \geqq \dfrac{73}{32}。

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