座標平面において,次の条件 (*) を満たす直線 l を考える。
(*) l の傾きは 1 で,曲線 y = x^3 - 2x と異なる 3 点で交わる。
その交点を x 座標の小さなものから順に \mathrm{P},\mathrm{Q},\mathrm{R} とし,さらに線分 \mathrm{PQ} の中点を \mathrm{S} とする。
(1) 点 \mathrm{R} の座標を (a,\ a^3 - 2a) とするとき,点 \mathrm{S} の座標を求めよ。
(2) 直線 l が条件 (*) を満たしながら動くとき,点 \mathrm{S} の軌跡を求めよ。
(3) 直線 l が条件 (*) を満たしながら動くとき,線分 \mathrm{PS} が動いてできる領域の面積を求めよ。
直線 l を y = x + k とおきます。交点の x 座標は x^3 - 2x = x + k の解で、移項すると次の方程式になる。
x^3 - 3x - k = 0
点 \mathrm{R} は l の上にあるため a^3 - 2a = a + k で、k = a^3 - 3a です。x = a が解の 1 つだから、左辺は x - a で割り切れる。
x^3 - 3x - (a^3 - 3a)
= (x - a)(x^2 + ax + a^2 - 3)
\mathrm{P}、\mathrm{Q} の x 座標は x^2 + ax + a^2 - 3 = 0 の 2 つの解です。解と係数の関係から和は -a で、中点 \mathrm{S} の x 座標は -\dfrac{a}{2}。
\mathrm{S} も l の上にあり、y 座標は -\dfrac{a}{2} + k = a^3 - \dfrac{7}{2}a。点 \mathrm{S} の座標は \left(-\dfrac{a}{2},\ a^3 - \dfrac{7}{2}a\right) です。
g(x) = x^3 - 3x とおくと、方程式 g(x) = k の解は、曲線 y = g(x) と直線 y = k の交点の x 座標です。
g'(x) = 3(x + 1)(x - 1) だから、g(x) は x = -1 で極大値 2、x = 1 で極小値 -2 をとる。異なる 3 点で交わるのは -2 < k < 2 のときです。
a は最も右の交点の x 座標です。x > 1 で g(x) は増え、g(1) = -2、g(2) = 2 だから、k が -2 から 2 まで変わると a は 1 から 2 まで動く。a の範囲は 1 < a < 2。
\mathrm{S} の座標を (X,\ Y) とおくと、(1) から X = -\dfrac{a}{2}、Y = a^3 - \dfrac{7}{2}a です。
a = -2X を代入すると Y = -8X^3 + 7X となり、1 < a < 2 は -1 < X < -\dfrac{1}{2} にあたる。
点 \mathrm{S} の軌跡は、曲線 y = -8x^3 + 7x の -1 < x < -\dfrac{1}{2} の部分です。
k を -2 から 2 まで増やすと、\mathrm{P} は曲線 y = x^3 - 2x の上を点 (-2,\ -4) から点 (-1,\ 1) へ進む。\mathrm{S} は点 \left(-\dfrac{1}{2},\ -\dfrac{5}{2}\right) から (2) の軌跡の上を点 (-1,\ 1) へ進みます。
線分 \mathrm{PS} は傾き 1 の直線 y = x + k の上にあり、k が違えば重ならない。k の下限にあたる直線 y = x - 2 が、領域の下側の境界になります。
たとえば縦線 x = -\dfrac{3}{2} を考える。\mathrm{S} はいつも x > -1 の範囲にあるため、線分 \mathrm{PS} とこの縦線の交点は \mathrm{P} が縦線より左にあるあいだだけでき、直線 y = x - 2 の上から曲線 y = x^3 - 2x の上までを動きます。
-2 < x < -1 のどの縦線でも同じで、上側の境界は \mathrm{P} の通る曲線 y = x^3 - 2x。-1 < x < -\dfrac{1}{2} では \mathrm{P} はいつも縦線より左にある。
こちらの交点は \mathrm{S} が縦線より右にあるあいだにでき、上側の境界は \mathrm{S} の通る曲線 y = -8x^3 + 7x になります。
-2 \leqq x \leqq -1 では、上の曲線と下の直線の差が次のように因数分解でき、0 以上です。
(x^3 - 2x) - (x - 2)
= (x - 1)^2(x + 2)
-1 \leqq x \leqq -\dfrac{1}{2} の差も同じように因数分解でき、0 以上になる。
(-8x^3 + 7x) - (x - 2)
= 2(1 - x)(2x + 1)^2
差をそれぞれの範囲で積分します。
\displaystyle\int_{-2}^{-1} (x^3 - 3x + 2)\,dx
= \left[\dfrac{x^4}{4} - \dfrac{3}{2}x^2 + 2x\right]_{-2}^{-1}
かっこの中は x = -1 で -\dfrac{13}{4}、x = -2 で -6 だから、値は \dfrac{11}{4}。
\displaystyle\int_{-1}^{-\frac{1}{2}} (-8x^3 + 6x + 2)\,dx
= \left[-2x^4 + 3x^2 + 2x\right]_{-1}^{-\frac{1}{2}}
こちらは x = -\dfrac{1}{2} で -\dfrac{3}{8}、x = -1 で -1 になり、値は \dfrac{5}{8} です。
求める面積は \dfrac{11}{4} + \dfrac{5}{8} = \dfrac{27}{8}。