微分できない点
連続でも微分できない点があります1。f(x)=∣x∣ の原点がその例です。
極限が存在しない
微分係数は平均変化率の極限として定義されます。x=0 では次の極限を見ることになります。
h→0limhf(0+h)−f(0)=h→0limh∣h∣ | 近づき方 | h∣h∣ |
|---|
| h>0 | 1 |
| h<0 | −1 |
右から近づけたときと左から近づけたときで値が違うので、この極限は存在しません。
∣x∣ は x>0 では y=x、x<0 では y=−x という 2 本の直線です。原点でつながってはいますが、傾きが食い違います。グラフが尖っているのはこのためです。
連続と微分可能は別
∣x∣ は原点で切れ目なくつながっているので連続ですが、傾きが決まらないので微分できません。逆向きは成り立ち、微分できる点では必ず連続です。
最大・最小の候補
この区別は最大・最小を求めるときに効いてきます。∣x∣ は x=0 で最小値 0 をとりますが、そこで f′=0 にはなっていません。
- f′=0 となる点
- 区間の端
- 微分できない点
最大値・最小値の候補は、この 3 種類です。
尖り方の型
| 関数 | 原点での様子 |
|---|
| ∣x∣ | 左右の傾きが 1 と −1 |
| x2/3 | 左右の傾きが −∞ と ∞ |
| 3x | 左右とも傾きが ∞(垂直な接線) |
前二つは尖った形、最後は垂直な接線をもつ形で、どれも原点では微分できません。
拡大して見分ける
微分できるかどうかは、グラフを拡大したときに直線に見えるかどうかで見分けられます。y=x2 の原点は拡大するほど直線に近づきますが、∣x∣ の原点はどこまで拡大しても V 字のままです。
導関数の形
∣x∣ は原点以外では微分でき、x>0 で f′=1、x<0 で f′=−1 です。導関数は sgnx にあたる段差のある関数になり、原点だけが定義されません。
絶対値や折れ線を含む関数は、折れ目で区間を分けて考えます。区間の内側では素直に微分でき、折れ目だけを別あつかいにすれば済みます。
グラフの V 字が y=∣x∣、2 本の直線が y=x と y=−x で、大きな点が微分できない (0,0) です。
- Differentiable function、Wikipedia