y=sinx1 関数 y=sinx1 のグラフ
y=sinx1 は、正弦関数の中身を逆数にした関数です。x が 0 に近づくと x1 がいくらでも大きくなるため、原点のどんなに小さい近くにも無限回の振動が詰め込まれます。極限が存在しないことの標準的な例として、解析の教科書に必ず現れます。
定義域と値域
定義域は x=0、値域は区間 [−1,1] です。x1 は 0 以外のすべての実数をとるので、正弦の値もすべて出そろいます。
対称性
f(−x)=sin(−x1)=−f(x) より奇関数で、原点に関して点対称です。
零点と山谷
sinx1=0 となるのは x1=nπ、すなわち x=nπ1 のときです。
| n | 零点 x=nπ1 |
|---|
| 1 | ≈0.3183 |
| 2 | ≈0.1592 |
| 3 | ≈0.1061 |
| 4 | ≈0.0796 |
零点は原点へ向かって際限なく詰まっていきます。値が ±1 になるのは x=(2n+1)π2 のときで、いちばん右の山は (π2,1)≈(0.637,1) です。
極限が存在しないこと
x→0 での極限を調べます。0 に近づく二つの数列をとると、行き先が食い違います。
xnxn′=(4n+1)π2→0,sinxn1=1=(4n+3)π2→0,sinxn′1=−1 したがって x→0 における極限は存在せず、左右どちらの片側極限も存在しません。
不連続の種類
値は −1 と 1 のあいだに収まったままなので、y 軸は垂直漸近線ではありません。
| 関数 | x→0 での様子 | 不連続の種類 |
|---|
| x1 | 発散する | 無限不連続 |
| arctanx1 | 片側極限が ±2π | 跳びの不連続 |
| sinx1 | 片側極限が存在しない | 振動による不連続 |
不連続の分類のうち、もっとも手に負えない種類にあたります1。
右側の振る舞い
導関数は次のとおりです。
y′=−x2cosx1 x>π2 では x1<2π なので cosx1>0 となり、y′<0 で単調に減少します。x→∞ では x1→0 なので y→0 となり、x 軸が水平漸近線です。遠方ではおとなしく、原点に近づくほど荒れるという関数です。
グラフに描ききれないこと
区間 (0,a] に含まれる振動の回数はおよそ 2πa1 で、a を小さくすればいくらでも増えます。したがって、どれだけ細かく点を打っても原点の近くを正しく描くことはできません。表示を拡大するたびに新しい振動が現れ、いくら拡大しても同じ景色が続きます。
位相幾何との関係
次の集合に y 軸上の線分 −1≤y≤1 を付け加えたものは位相幾何学者の正弦曲線と呼ばれます2。
{(x,sinx1):0<x≤1} 連結でありながら弧状連結ではない図形の代表例で、つながっているように見えて、曲線をたどって原点へ到達することはできません。
- Classification of discontinuities、Wikipedia
- Topologist's sine curve、Wikipedia