部分積分

積の微分を逆向きに使うのが部分積分です1。∫xe−x dx\int xe^{-x}\,dx で確かめます。

公式

∫fg′ dx=fg−∫f′g dx\int f g'\,dx = fg - \int f' g\,dx

積の微分 (fg)′=f′g+fg′(fg)' = f'g + fg' の両辺を積分して移項すると出てきます。右辺に残る積分が、もとより簡単になるように ff と g′g' を選びます。

計算する

f=xf = x、g′=e−xg' = e^{-x} とすると f′=1f' = 1、g=−e−xg = -e^{-x} なので、次のようになります。

∫xe−x dx=−xe−x+∫e−x dx=−(x+1)e−x+C\int xe^{-x}\,dx = -xe^{-x} + \int e^{-x}\,dx = -(x + 1)e^{-x} + C

微分して確かめると −e−x+(x+1)e−x=xe−x-e^{-x} + (x + 1)e^{-x} = xe^{-x} で、もとに戻ります。

選び方

選び方残る積分結果
f=xf = x、g′=e−xg' = e^{-x}∫e−xdx\int e^{-x}dx簡単になる
f=e−xf = e^{-x}、g′=xg' = x∫x22e−xdx\int \dfrac{x^2}{2}e^{-x}dx次数が上がる

微分して簡単になる側を ff に置くのが要領です。

無限区間でも計算できる

x→∞x \to \infty で −(x+1)e−x→0-(x + 1)e^{-x} \to 0 なので、次のようになります。

∫0∞xe−x dx=0−(−1)=1\int_0^{\infty} xe^{-x}\,dx = 0 - (-1) = 1

これは指数分布の平均が 11 であることを意味します。

11 を掛けたと見る

∫log⁡x dx\int \log x\,dx は f=log⁡xf = \log x、g′=1g' = 1 として xlog⁡x−∫1 dx=xlog⁡x−xx\log x - \int 1\,dx = x\log x - x です。積の形に見えなくても、11 を掛けたと見れば部分積分が使えます。

22 回使って戻ってくる形

∫exsin⁡x dx\int e^x \sin x\,dx は 22 回の部分積分でもとの積分が右辺に現れます。方程式として解くと次のようになります。

∫exsin⁡x dx=ex(sin⁡x−cos⁡x)2+C\int e^x \sin x\,dx = \frac{e^x(\sin x - \cos x)}{2} + C

堂々めぐりに見えて、実は解ける形になっているという珍しい型です。

グラフの山なりの曲線が y=xe−xy = xe^{-x}、下から 00 へ近づく曲線が原始関数 y=−(x+1)e−xy = -(x + 1)e^{-x} で、大きな点は極大点と (0,−1)(0, -1) です。

  1. Integration by parts、Wikipedia