y=exxy = \dfrac{e^x}{x}

関数 y=exxy = \dfrac{e^x}{x} のグラフ

y=exxy = \dfrac{e^x}{x} は指数関数を一次関数で割った形です。ln⁡xx\dfrac{\ln x}{x} とは反対に分子の伸びが圧倒的で、右へ行くほど急激に大きくなります。グラフは yy 軸で 22 つに分かれます。

定義域と符号

定義域は x≠0x \neq 0 です。exe^x はつねに正なので符号は分母の xx だけで決まり、x>0x > 0 では y>0y > 0、x<0x < 0 では y<0y < 0 となります。曲線は第 11 象限と第 33 象限に現れます。

増減と極値

商の微分から導関数を求めます。

y′=ex(x−1)x2y' = \frac{e^x(x - 1)}{x^2}

exe^x と x2x^2 は正なので符号は x−1x - 1 で決まります。したがって x<0x < 0 でも 0<x<10 < x < 1 でも減少し、x>1x > 1 で増加に転じて、x=1x = 1 で極小値 ee をとります。負の側には極値がなく、そこでは一貫して減少します。

値域

枝端の振る舞い値域
x>0x > 0x→0+x \to 0^{+} と x→∞x \to \infty で発散y≥ey \geq e
x<0x < 0x→−∞x \to -\infty で 0−0^{-}、x→0−x \to 0^{-} で −∞-\inftyy<0y < 0

あわせると y<0y < 0 または y≥ey \geq e となり、0≤y<e0 \leq y < e の値はとりません。

漸近線

yy 軸が垂直漸近線で、右から近づくと +∞+\infty、左から近づくと −∞-\infty へ向かいます。x→−∞x \to -\infty では exe^x が 00 へ落ちるので y→0−y \to 0^{-} となり、左側でだけ xx 軸が水平漸近線になります。右側に水平漸近線はありません。exe^x はどんな多項式よりも速く増えるからです。

凹凸

二階導関数は y′′=ex(x2−2x+2)x3y'' = \dfrac{e^x(x^2 - 2x + 2)}{x^3} です。x2−2x+2=(x−1)2+1x^2 - 2x + 2 = (x - 1)^2 + 1 はつねに正なので、符号は x3x^3 で決まります。x>0x > 0 では下に凸、x<0x < 0 では上に凸で、符号が変わる x=0x = 0 は定義域の外ですから変曲点はありません。

不等式 ex≥exe^x \geq ex

右の枝の最小値が ee であることは、x>0x > 0 で exx≥e\dfrac{e^x}{x} \geq e、すなわち次の不等式を意味します。

ex≥exe^x \geq ex

等号は x=1x = 1 のときだけです。x≤0x \leq 0 では左辺が正で右辺が 00 以下ですから、この不等式は結局すべての実数で成り立ちます。

指数積分と応用

この関数の不定積分は初等関数では表せません。∫exx dx\int \dfrac{e^x}{x}\,dx は指数積分 Ei⁡(x)\operatorname{Ei}(x) という特殊関数を定義する式です。x=eux = e^{u} と置き換えると ∫dxln⁡x=∫euu du\int \dfrac{dx}{\ln x} = \int \dfrac{e^{u}}{u}\,du となるので、素数の個数 π(x)\pi(x) をもっともよく近似する対数積分 li⁡(x)\operatorname{li}(x) が、この関数の積分として書けることが分かります。指数積分は、指数関数的な減衰と距離の逆数が同時に効く放射伝達や中性子輸送の解析にも現れます。