合成関数の微分

関数の中に関数が入っている形は、合成関数の微分(連鎖律)で微分します1。f(x)=sin⁡(x2)f(x) = \sin(x^2) で確かめます。

公式

外側を内側で微分し、内側を xx で微分して掛けます。

{g(h(x))}′=g′(h(x))⋅h′(x)\{ g(h(x)) \}' = g'(h(x)) \cdot h'(x)

g(t)=sin⁡tg(t) = \sin t、h(x)=x2h(x) = x^2 なので g′(t)=cos⁡tg'(t) = \cos t、h′(x)=2xh'(x) = 2x、したがって次のようになります。

f′(x)=cos⁡(x2)⋅2x=2xcos⁡(x2)f'(x) = \cos(x^2) \cdot 2x = 2x\cos(x^2)

cos⁡(x2)\cos(x^2) だけでは足りません。内側の微分 2x2x が必ず掛かります。

2x2x の効き方

グラフを見ると 2x2x の効き方が分かります。xx が大きくなるほど内側の x2x^2 の増え方が速いので、sin⁡(x2)\sin(x^2) の波は右へ行くほど詰まっていきます。導関数の振幅も 2x2x に比例して大きくなります。

波の間隔は数でも追えます。f=0f = 0 となるのは x2=nπx^2 = n\pi、つまり x=nπx = \sqrt{n\pi} のときです。

nn零点 x=nπx = \sqrt{n\pi}前との間隔
11≈1.77\approx 1.77≈1.77\approx 1.77
22≈2.51\approx 2.51≈0.73\approx 0.73
33≈3.07\approx 3.07≈0.56\approx 0.56

何段でも重ねられる

sin⁡(ex2)\sin\left( e^{x^2} \right) なら、外から順に cos⁡(ex2)\cos\left( e^{x^2} \right)、ex2e^{x^2}、2x2x を掛けて 2xex2cos⁡(ex2)2xe^{x^2}\cos\left( e^{x^2} \right) です。

覚え方

dydx=dydt⋅dtdx\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{dt} \cdot \frac{dt}{dx}

分数のように dtdt が約分されて見えますが、これは形の上での話で、証明は平均変化率の積として書き直すことで行います。

置換積分との関係

置換積分は、この規則を逆向きに使ったものです。連鎖律で内側の微分が掛かることを知っていれば、次の積分が読み取れます。

∫2xcos⁡(x2) dx=sin⁡(x2)+C\int 2x\cos(x^2)\,dx = \sin(x^2) + C

微分の側で掛かるものを、積分の側では見つけて取り除きます。

グラフの右へ行くほど詰まる波が y=sin⁡(x2)y = \sin(x^2)、振幅が大きくなる波が導関数で、大きな点は原点と (π,0)\left( \sqrt{\pi}, 0 \right) です。

  1. Chain rule、Wikipedia