y=x2(x−1) 三次関数 y=x2(x−1) のグラフ
y=x2(x−1) は、展開すると x3−x2 になる三次関数です。因数分解した形が示すとおり x=0 が重解、x=1 が単解で、グラフは重解のところで x 軸に接し、単解のところで横切ります。解の重複度とグラフの様子の対応を確かめるのに、これ以上ないほど素直な例です。
切片と符号
x 切片は x=0 と x=1 です。x2≥0 なので、値の符号は x−1 だけで決まります。
| x の範囲 | y の符号 | x 軸との関係 |
|---|
| x<0 | 負 | 下を通る |
| x=0 | 0 | 接する |
| 0<x<1 | 負 | 下を通る |
| x=1 | 0 | 横切る |
| x>1 | 正 | 上を通る |
x=0 の前後では符号が変わらず、曲線は x 軸に触れてすぐ下へ戻ります。いっぽう x=1 の前後では負から正へ変わり、はっきり横切ります。
重解で接する理由
f(x) が (x−a)2 を因数にもつとき、f(a)=0 だけでなく f′(a)=0 も成り立ちます。実際、導関数は次のとおりです。
y′=3x2−2x=x(3x−2) x=0 を代入すると 0 になります。値が 0 で傾きも 0 ということは、その点で x 軸が接線になっているということにほかなりません。重解は、単に解が 2 つ重なっているというだけでなく、接するという幾何的な意味をもちます。
増減と極値
y′=x(3x−2) の符号から増減が決まります。
| x | y′ の符号 | 増減 |
|---|
| x<0 | 正 | 増加 |
| x=0 | 0 | 極大値 0 |
| 0<x<32 | 負 | 減少 |
| x=32 | 0 | 極小値 −274 |
| x>32 | 正 | 増加 |
重解の位置がそのまま極大の位置になっている点に注意してください。接するということは、そこで折り返すということでもあります。
凹凸と対称の中心
二階導関数は y′′=6x−2 で、x=31 の前後で符号が変わります。変曲点は (31,−272) です。この点は 2 つの極値のちょうど中点にあたり、x 座標は 0 と 32 の平均、y 座標は 0 と −274 の平均になっています。三次関数の変曲点はつねに対称の中心なので、この点のまわりに 180∘ 回転させるとグラフはぴったり重なります。
重複度による分類
三次関数と x 軸の関係は、解の重複度で 3 通りに分かれます。
| 解の重複度 | x 軸との関係 | 例 |
|---|
| 3 つの単解 | 3 か所で横切る | y=x(x−1)(x+1) |
| 二重解と単解 | 1 か所で接し、1 か所で横切る | y=x2(x−1) |
| 三重解 | 1 か所で接しながら横切る | y=x3 |
三重解の y=x3 では、接線が x 軸でありながら符号も変わります。この関数は 2 番目の場合の代表例です。
解の個数
方程式 x2(x−1)=k の実数解の個数は、水平線との交点として読めます。極小値 −274 と極大値 0 が境目です。
| k の範囲 | 実数解の個数 |
|---|
| −274<k<0 | 3 個 |
| k=−274 または k=0 | 2 個 |
| それ以外 | 1 個 |
重解をもつ条件を判別式で調べる代わりに、グラフの極値を見れば済むという点で、三次関数の扱いの基本になっています。