y=xex2y = xe^{-x^2}

関数 y=xex2y = xe^{-x^2} のグラフ

y=xex2y = xe^{-x^2} は、一次関数にガウス関数を掛けた形です。ガウス関数 ex2e^{-x^2} の導関数が 2xex2-2xe^{-x^2} ですから、この関数は定数倍を除いてガウス関数の傾きを表しています。奇関数なので山と谷が一つずつ現れます。

定義域と対称性

定義域はすべての実数です。f(x)=f(x)f(-x) = -f(x) より奇関数で、原点に関して点対称です。x>0x > 0 では正、x<0x < 0 では負で、xx 切片は原点ただ一つです。

増減と極値

積の微分から次が得られます。

y=(12x2)ex2y' = (1 - 2x^2)e^{-x^2}

ex2e^{-x^2} は正なので符号は 12x21 - 2x^2 で決まり、x=±12x = \pm\dfrac{1}{\sqrt{2}}00 になります。

xxyy位置
120.707-\dfrac{1}{\sqrt{2}} \approx -0.7070.4289\approx -0.4289極小
0000変曲点
120.707\dfrac{1}{\sqrt{2}} \approx 0.7070.4289\approx 0.4289極大
321.225\sqrt{\dfrac{3}{2}} \approx 1.2250.2733\approx 0.2733変曲点

極値は ±12e\pm\dfrac{1}{\sqrt{2e}} で、値域はその間に収まります。一次の因子は xx とともに伸びますが、指数の減衰がすぐに追い越すので、山はさほど高くなりません。

漸近線

x±x \to \pm\infty では ex2e^{-x^2} の減衰が xx の増加を圧倒するので y0y \to 0 となり、xx 軸が水平漸近線です。有理関数の x1+x2\dfrac{x}{1+x^2} も同じく原点対称で山と谷をもちますが、そちらは 1x\dfrac{1}{x} 程度でゆっくり減るのに対し、こちらは一気に 00 へ落ちます。

変曲点

二階導関数は y=2x(2x23)ex2y'' = 2x(2x^2 - 3)e^{-x^2} です。x=0x = 0x=±32x = \pm\sqrt{\dfrac{3}{2}} の三か所で符号が変わるので、変曲点は三つあります。

ガウス関数との関係

ddxex2=2xex2=2y\frac{d}{dx}e^{-x^2} = -2xe^{-x^2} = -2y

この関数はガウス関数の導関数を 12-\dfrac{1}{2} 倍したものです。ここから読み取れることがあります。ガウス関数の変曲点は x=±12x = \pm\dfrac{1}{\sqrt{2}} にありますが、これはこの関数の極値の位置とぴたりと一致します。導関数が極値をとる場所がもとの関数の変曲点である、という一般則が目に見える形になっているわけです。

積分

原始関数は 12ex2-\dfrac{1}{2}e^{-x^2} です。

0xex2dx=12\int_0^{\infty} xe^{-x^2}\,dx = \frac{1}{2}

奇関数なので全区間の積分は 00 になります。x0x \geq 0 に限って 22 倍した 2xex22xe^{-x^2} は積分が 11 になり、レイリー分布の確率密度にあたります1

応用

画像処理では、ガウス関数で平滑化してから微分する代わりに、あらかじめ微分したこの形をフィルタとして畳み込みます。キャニー法をはじめとするエッジ検出の基本で、雑音に強い微分を実現する定石です2

物理では、二次元の気体分子の速さの分布がこの形になります。速度の各成分が正規分布に従うとき、速さは小さいほど向きの自由度が少なく、大きいほど指数因子で抑えられるので、中間に山ができるのです。

  1. Rayleigh distribution、Wikipedia
  2. Canny edge detector、Wikipedia