置換積分
合成関数の微分を逆向きに使うのが置換積分です1。∫1+x22xdx で確かめます。
分母を置きかえる
t=1+x2 とすると dxdt=2x、つまり dt=2xdx です。分子の 2xdx がそのまま dt に置きかわります。
∫1+x22xdx=∫tdt=log∣t∣=log(1+x2)+C 微分して確かめると、連鎖律から {log(1+x2)}′=1+x21⋅2x で、もとの関数に戻ります。
定積分では区間も置きかえる
x が 0 から 1 まで動くとき t は 1 から 2 まで動きます。
∫011+x22xdx=∫12tdt=log2≈0.693 区間を t の側に直してしまえば、x に戻す必要はありません。
当てはまる形
うまくいく形は限られています。被積分関数が g(h(x))⋅h′(x) の形、つまり内側の関数の微分が掛かっている形のときだけです。
| 積分 | 置きかえ | 結果 |
|---|
| ∫1+x22xdx | t=1+x2 | log(1+x2) |
| ∫sin2xcosxdx | t=sinx | 3sin3x |
| ∫2xcos(x2)dx | t=x2 | sin(x2) |
係数が合わないときは定数で調整します。∫1+x2xdx なら 21log(1+x2) です。足りない 2 を外に出すだけで済みます。
逆向きに置く
置換の向きを逆にする使い方もあります。∫011−x2dx では x=sinθ と置いて dx=cosθdθ とします。
∫0π/2cos2θdθ=4π 四分円の面積と一致します。根号を三角関数で消すこの型は、円や楕円に関わる積分でくり返し使われます。
グラフの山なりの曲線が y=1+x22x、増え続ける曲線が原始関数 y=log(1+x2) で、大きな点は (1,1) と (1,log2) です。
- Integration by substitution、Wikipedia