平均値の定理

区間の両端を結んだ割線と平行な接線が、その区間の内側に必ずあります。これが平均値の定理です1f(x)=x2f(x) = x^2 の区間 [1,2][1, 2] で確かめます。

割線の傾き

f(2)f(1)21=411=3\frac{f(2) - f(1)}{2 - 1} = \frac{4 - 1}{1} = 3

同じ傾きの接線を探す

f(x)=2xf'(x) = 2x なので f(c)=3f'(c) = 3 を解いて c=32c = \dfrac{3}{2} です。区間 1<c<21 < c < 2 の内側にあります。

接点は (32,94)\left(\dfrac{3}{2}, \dfrac{9}{4}\right)、接線は y=3x94y = 3x - \dfrac{9}{4} です。グラフでは割線 y=3x2y = 3x - 2 と平行な直線に見えます。

定理の主張

ff が閉区間 [a,b][a, b] で連続、開区間 (a,b)(a, b) で微分可能なら、次を満たす ccaabb の間に少なくとも 11 つあります。

f(b)f(a)ba=f(c)\frac{f(b) - f(a)}{b - a} = f'(c)

少なくとも 11 つなので、22 つ以上あってもかまいません。

ロルの定理

f(a)=f(b)f(a) = f(b) の場合が特別な場合です。そのとき右辺は 00 になり、f(c)=0f'(c) = 0 となる cc が区間の内側にあることになります。これをロルの定理といいます2

条件結論
一般の f(a)f(a)f(b)f(b)割線と平行な接線がある
f(a)=f(b)f(a) = f(b)水平な接線がある(ロルの定理)

仮定が必要なこと

連続でも微分可能でなければ成り立ちません。f(x)=xf(x) = |x|[1,1][-1, 1] で見ると、割線の傾きは 00 ですが、傾き 00 の接線はどこにもありません。x=0x = 0 で微分できないからです。

何の役に立つか

平均値の定理は、平均変化率と微分係数を結ぶ橋です。f>0f' > 0 なら関数が増加するという当たり前に見える事実も、22 点をとって f(b)f(a)=f(c)(ba)>0f(b) - f(a) = f'(c)(b - a) > 0 とすることで、この定理から証明されます。

グラフの放物線が y=x2y = x^222 点を通る直線が割線、それと平行な直線が接線で、大きな点は (1,1)(1, 1)(2,4)(2, 4) と接点です。

  1. Mean value theorem、Wikipedia
  2. Rolle's theorem、Wikipedia