陰関数の微分

yy について解かなくても微分できます1。円 x2+y2=25x^2 + y^2 = 25 の点 (3,4)(3, 4) における接線を求めます。

両辺を微分する

yyxx の関数なので、y2y^2 の微分は連鎖律で 2ydydx2y \dfrac{dy}{dx} になります。

2x+2ydydx=0dydx=xy\begin{align*} 2x + 2y \frac{dy}{dx} &= 0 \\ \frac{dy}{dx} &= -\frac{x}{y} \end{align*}

(3,4)(3, 4) を入れると傾きは 34-\dfrac{3}{4} です。接線は次のようになります。

y=34(x3)+4=34x+254y = -\frac{3}{4}(x - 3) + 4 = -\frac{3}{4}x + \frac{25}{4}

解いてから微分する場合との比較

方法扱える範囲
yy について解くy=±25x2y = \pm\sqrt{25 - x^2}上半円と下半円で分ける
陰関数のままdydx=xy\dfrac{dy}{dx} = -\dfrac{x}{y}11 本で両方

陰関数のまま微分すれば、上下をまとめて扱えます。

図形的な意味

中心 (0,0)(0, 0) から (3,4)(3, 4) へ引いた半径の傾きは 43\dfrac{4}{3}、接線の傾きは 34-\dfrac{3}{4} で、積は 1-1 です。接線が半径に垂直であるという事実が、式から出てきます。

使えない点

y=0y = 0 の点では使えません。(5,0)(5, 0)(5,0)(-5, 0) では分母が 00 になりますが、これは接線が垂直な直線 x=5x = 5x=5x = -5 になって傾きをもたないからです。式の破れ方が図形の事情に対応しています。

円以外でも同じ

曲線微分した式傾きの例
x2+y2=25x^2 + y^2 = 25xy-\dfrac{x}{y}(3,4)(3, 4)34-\dfrac{3}{4}
x3+y3=9x^3 + y^3 = 9x2y2-\dfrac{x^2}{y^2}(1,2)(1, 2)14-\dfrac{1}{4}
xy=6xy = 6yx-\dfrac{y}{x}(2,3)(2, 3)32-\dfrac{3}{2}

yy について解けない曲線でも、接線だけは求められます。積の形が混ざっても同じで、xy=6xy = 6 なら積の微分で y+xdydx=0y + x\dfrac{dy}{dx} = 0 となり、y=6xy = \dfrac{6}{x} を微分した 6x2-\dfrac{6}{x^2} と一致します。

グラフの上下 22 本の弧が円 x2+y2=25x^2 + y^2 = 25、直線が接線で、大きな点は接点 (3,4)(3, 4) と中心 (0,0)(0, 0) です。

  1. Implicit function、Wikipedia