積の微分

積の形の関数は、それぞれを微分して掛ける形にはなりません1。f(x)=xe−xf(x) = xe^{-x} で確かめます。

公式

(uv)′=u′v+uv′(uv)' = u'v + uv'

u=xu = x、v=e−xv = e^{-x} とすると u′=1u' = 1、v′=−e−xv' = -e^{-x} なので、次のようになります。

f′(x)=1⋅e−x+x⋅(−e−x)=(1−x)e−xf'(x) = 1 \cdot e^{-x} + x \cdot (-e^{-x}) = (1 - x)e^{-x}

u′v′=−e−xu'v' = -e^{-x} とは別のものになることに注意してください。

増減

e−x>0e^{-x} > 0 なので符号は 1−x1 - x だけで決まります。

範囲f′f'増減
x<1x < 1正増加
x>1x > 1負減少

x=1x = 1 で極大値 f(1)=1e≈0.368f(1) = \dfrac{1}{e} \approx 0.368 をとります。

遠方でのふるまい

x→∞x \to \infty では e−xe^{-x} の減り方が xx の増え方より速いので f→0f \to 0 です。x→−∞x \to -\infty では xx が負、e−xe^{-x} が大きいので f→−∞f \to -\infty になります。

もう一度微分する

二階導関数も同じ公式で求まります。

f′′(x)=−e−x−(1−x)e−x=(x−2)e−xf''(x) = -e^{-x} - (1 - x)e^{-x} = (x - 2)e^{-x}

x=2x = 2 で符号が変わるので、変曲点は (2,2e2)\left(2, \dfrac{2}{e^2}\right)、値でいえば (2,0.271)(2, 0.271) です。

xxf(x)f(x)位置
0000原点を通る
111e≈0.368\dfrac{1}{e} \approx 0.368極大
222e2≈0.271\dfrac{2}{e^2} \approx 0.271変曲点

公式の理由

長方形の面積で見えます。辺の長さが uu、vv の長方形で、uu が Δu\Delta u、vv が Δv\Delta v だけ増えたときの面積の増加は次のとおりです。

uΔv+vΔu+ΔuΔvu\Delta v + v\Delta u + \Delta u \Delta v

最後の項は微小量どうしの積なので、Δx\Delta x で割って 00 に近づけると消えます。残るのが u′v+uv′u'v + uv' です。

応用

この形の関数は、減衰しながら増える量に現れます。xe−xxe^{-x} は待ち時間の分布として使われ、山の位置 x=1x = 1 が最も起こりやすい値になります。

グラフの山なりの曲線が y=xe−xy = xe^{-x}、それを横切る曲線が導関数で、大きな点は極大点と原点です。

  1. Product rule、Wikipedia