符号つき面積と絶対値

定積分は面積そのものではなく、符号のついた面積です。y=x3y = x^31-1 から 11 まで積分して確かめます。

11x3dx=[x44]11=1414=0\int_{-1}^{1} x^3 \, dx = \left[ \frac{x^4}{4} \right]_{-1}^{1} = \frac{1}{4} - \frac{1}{4} = 0

答えは 00 です。しかしグラフを見れば、囲まれた部分に面積はあります。0x10 \leq x \leq 1 では曲線が xx 軸の上、1x0-1 \leq x \leq 0 では下にあり、下側の部分が負に数えられて打ち消し合ったのです。

面積が欲しいとき

絶対値をとってから積分します。

11x3dx=201x3dx=2×14=12\int_{-1}^{1} |x^3| \, dx = 2\int_0^1 x^3 \, dx = 2 \times \frac{1}{4} = \frac{1}{2}

x3|x|^3 は偶関数なので、右半分を計算して 22 倍すれば済みます。

区間x3dx\int x^3 dx面積
1x0-1 \leq x \leq 014-\dfrac{1}{4}14\dfrac{1}{4}
0x10 \leq x \leq 114\dfrac{1}{4}14\dfrac{1}{4}
合計0012\dfrac{1}{2}

対称性を使う

関数の型対称な区間での積分
奇関数00
偶関数片側の 22

x3x^3 は奇関数、x3|x|^3 は偶関数なので、上の 22 つはその典型です。対称性を知っていれば計算は短くなります。

符号つきであることの意味

符号つきであることは欠点ではありません。速度を積分すると、進んだ向きの分だけ増え、戻った分は減って、正味の変位が出ます。面積が欲しいなら絶対値、正味の変化が欲しいならそのまま積分する、と使い分けます。

原始関数の側から見る

x3x^3 の原始関数 x44\dfrac{x^4}{4} は偶関数なので、x=1x = -1x=1x = 1 で同じ値をとります。差をとれば 00 になるのは当然です。一方 x3|x|^3 の原始関数は x0x \geq 0x44\dfrac{x^4}{4}x<0x < 0x44-\dfrac{x^4}{4} と、区間によって式が変わります。

面積を求めるときは、まず f=0f = 0 となる xx を探して区間を分けます。この関数では x=0x = 0 が境目です。

グラフの原点について対称な曲線が y=x3y = x^3yy 軸について対称な曲線が y=x3y = |x|^3 で、大きな点は (1,1)(-1, -1)(0,0)(0, 0)(1,1)(1, 1) です。