符号つき面積と絶対値
定積分は面積そのものではなく、符号のついた面積です。y=x3 を −1 から 1 まで積分して確かめます。
∫−11x3dx=[4x4]−11=41−41=0 答えは 0 です。しかしグラフを見れば、囲まれた部分に面積はあります。0≤x≤1 では曲線が x 軸の上、−1≤x≤0 では下にあり、下側の部分が負に数えられて打ち消し合ったのです。
面積が欲しいとき
絶対値をとってから積分します。
∫−11∣x3∣dx=2∫01x3dx=2×41=21 ∣x∣3 は偶関数なので、右半分を計算して 2 倍すれば済みます。
| 区間 | ∫x3dx | 面積 |
|---|
| −1≤x≤0 | −41 | 41 |
| 0≤x≤1 | 41 | 41 |
| 合計 | 0 | 21 |
対称性を使う
| 関数の型 | 対称な区間での積分 |
|---|
| 奇関数 | 0 |
| 偶関数 | 片側の 2 倍 |
x3 は奇関数、∣x∣3 は偶関数なので、上の 2 つはその典型です。対称性を知っていれば計算は短くなります。
符号つきであることの意味
符号つきであることは欠点ではありません。速度を積分すると、進んだ向きの分だけ増え、戻った分は減って、正味の変位が出ます。面積が欲しいなら絶対値、正味の変化が欲しいならそのまま積分する、と使い分けます。
原始関数の側から見る
x3 の原始関数 4x4 は偶関数なので、x=−1 と x=1 で同じ値をとります。差をとれば 0 になるのは当然です。一方 ∣x∣3 の原始関数は x≥0 で 4x4、x<0 で −4x4 と、区間によって式が変わります。
面積を求めるときは、まず f=0 となる x を探して区間を分けます。この関数では x=0 が境目です。
グラフの原点について対称な曲線が y=x3、y 軸について対称な曲線が y=∣x∣3 で、大きな点は (−1,−1)、(0,0)、(1,1) です。