指数関数と対数関数の微分

微分しても変わらない関数と、微分すると 1x\dfrac{1}{x} になる関数の話です。y=exy = e^x と y=ln⁡xy = \ln x を見ます。

(ex)′=ex(ln⁡x)′=1x\begin{align*} \left( e^x \right)' &= e^x \\ \left( \ln x \right)' &= \frac{1}{x} \end{align*}

傾きが高さに等しい

exe^x は、どの点でも接線の傾きがその点の高さに等しい関数です1。

xxexe^x傾き
001111
11e≈2.718e \approx 2.718e≈2.718e \approx 2.718
22e2≈7.389e^2 \approx 7.389e2≈7.389e^2 \approx 7.389

この性質をもつ関数は CexCe^x の形だけで、ee という数はそこから決まります。

2x2^x ではこうなりません。(2x)′=2xln⁡2\left( 2^x \right)' = 2^x \ln 2 で、ln⁡2≈0.693\ln 2 \approx 0.693 の倍だけずれます。底が ee のときにだけ、余分な係数が消えます。

対数の微分

ln⁡x\ln x の微分は 1x\dfrac{1}{x} です2。

xx(ln⁡x)′\left( \ln x \right)'
1111
2212\dfrac{1}{2}
1010110\dfrac{1}{10}

右へ行くほど平らになります。ln⁡x\ln x が無限に増えながら増え方を落としていくのは、このためです。

逆関数の関係

22 つは互いに逆関数で、グラフは y=xy = x について対称です。逆関数の微分は dxdy=1dy/dx\dfrac{dx}{dy} = \dfrac{1}{dy/dx} なので、y=exy = e^x の傾きが yy 自身なら、x=ln⁡yx = \ln y の傾きは 1y\dfrac{1}{y} になります。片方から他方が出てきます。

積分の穴を埋める

1x\dfrac{1}{x} を積分すると ln⁡x\ln x に戻ります。xnx^n の積分は xn+1n+1\dfrac{x^{n+1}}{n+1} ですが、n=−1n = -1 では分母が 00 になって使えません。その穴を埋めるのが対数です。

底が ee でない場合

関数導関数
axa^xaxln⁡aa^x \ln a
log⁡ax\log_a x1xln⁡a\dfrac{1}{x \ln a}

ax=exln⁡aa^x = e^{x \ln a} と書き直して連鎖律を使えば前者、log⁡ax=ln⁡xln⁡a\log_a x = \dfrac{\ln x}{\ln a} から後者が出ます。どの底でも、自然対数に直せば同じ 22 つの公式に帰着します。

グラフの急に立ち上がる曲線が y=exy = e^x、ゆるやかに増える曲線が y=ln⁡xy = \ln x、双曲線が y=1xy = \dfrac{1}{x} で、大きな点は (0,1)(0, 1)、(1,0)(1, 0)、(1,1)(1, 1) です。

  1. Exponential function、Wikipedia
  2. Natural logarithm、Wikipedia