一次近似

接線は、接点の近くで曲線の代わりに使えます1f(x)=1+xf(x) = \sqrt{1 + x}x=0x = 0 のまわりで近似します。

接線を求める

f(0)=1f(0) = 1f(x)=121+xf'(x) = \dfrac{1}{2\sqrt{1 + x}} より f(0)=12f'(0) = \dfrac{1}{2} なので、接線は次の直線です。

y=1+x2y = 1 + \frac{x}{2}

一般には x=ax = a のまわりで f(x)f(a)+f(a)(xa)f(x) \approx f(a) + f'(a)(x - a) と近似します。これを一次近似といいます。

精度

xx1+x\sqrt{1+x}近似 1+x21 + \dfrac{x}{2}誤差
0.010.011.00498761.00498761.0051.0050.00001240.0000124
0.10.11.0488091.0488091.051.050.00120.0012
111.414211.414211.51.50.0860.086

xx1010 分の 11 にすると誤差は 100100 分の 11 になります。誤差が (xa)2(x - a)^2 の程度だからです。離れると崩れるので、使えるのは接点の近くだけです。

計算に使う

101=101.0110×1.005=10.05\sqrt{101} = 10\sqrt{1.01} \approx 10 \times 1.005 = 10.05 で、正しい値 10.04987610.049876 にごく近い数が暗算で出ます。

物理での使われ方

  • 振り子の sinθθ\sin\theta \approx \theta
  • 相対論の 11v2/c21+v22c2\dfrac{1}{\sqrt{1 - v^2/c^2}} \approx 1 + \dfrac{v^2}{2c^2}
  • 光学での薄いレンズの近似

もとの式が扱いにくくても、小さい範囲では直線や 22 次式で置きかえられます。

精度を上げる

項を足すと精度が上がります。

1+x1+x2x28\sqrt{1 + x} \approx 1 + \frac{x}{2} - \frac{x^2}{8}

x=1x = 1 での誤差は 0.0860.086 から 0.0390.039 に縮みます。この続きがテイラー展開で、22 次の項の係数 18-\dfrac{1}{8}f(0)2\dfrac{f''(0)}{2} から出てきます2

グラフの曲線が y=1+xy = \sqrt{1 + x}、直線が接線 y=1+x2y = 1 + \dfrac{x}{2} で、大きな点が接点 (0,1)(0, 1) です。

  1. Linear approximation、Wikipedia
  2. Taylor series、Wikipedia