y=e−xsin⁡xy = e^{-x}\sin x

減衰振動 y=e−xsin⁡xy = e^{-x}\sin x のグラフ

y=e−xsin⁡xy = e^{-x}\sin x は、三角関数に指数関数の重みを掛けた減衰振動の曲線です1。振動しながら振幅が小さくなっていく現象を表す、もっとも基本的な形です。

定義域と零点

定義域はすべての実数です。e−xe^{-x} は決して 00 にならないので、y=0y = 0 となるのは sin⁡x=0\sin x = 0 のとき、つまり x=nπx = n\pi に限ります。減衰があっても零点は等間隔のままで、振幅だけが変わっていくところが特徴です。

包絡線

∣sin⁡x∣≤1|\sin x| \leq 1 より、曲線は二本の指数曲線にはさまれます。

−e−x≤y≤e−x-e^{-x} \leq y \leq e^{-x}

この二本を包絡線といい、∣sin⁡x∣=1|\sin x| = 1 となる x=π2+nπx = \dfrac{\pi}{2} + n\pi で曲線は包絡線に接します。はさみうちの原理から x→+∞x \to +\infty で y→0y \to 0 です。

三つの特徴的な位置

導関数は y′=e−x(cos⁡x−sin⁡x)y' = e^{-x}(\cos x - \sin x) です。e−x>0e^{-x} > 0 なので cos⁡x=sin⁡x\cos x = \sin x、すなわち x=π4+nπx = \dfrac{\pi}{4} + n\pi が極値の位置になります。二階導関数は y′′=−2e−xcos⁡xy'' = -2e^{-x}\cos x で、cos⁡x=0\cos x = 0 となる点で符号が変わります。

位置xx
極値π4+nπ\dfrac{\pi}{4} + n\pi
包絡線との接点π2+nπ\dfrac{\pi}{2} + n\pi
変曲点π2+nπ\dfrac{\pi}{2} + n\pi
零点nπn\pi

極値は接点より π4\dfrac{\pi}{4} だけ手前に来ます。減衰しながら登るので、sin⁡x\sin x が最大になる前に頂点を過ぎてしまうのです。一方で変曲点は接点とちょうど一致します。最初の極大は x=π4x = \dfrac{\pi}{4} での 22e−π/4≈0.322\dfrac{\sqrt{2}}{2}e^{-\pi/4} \approx 0.322 です。

減衰の速さ

半周期ずらすと y(x+π)=−e−πy(x)y(x + \pi) = -e^{-\pi}y(x) が成り立ちます。したがって隣り合う極値の絶対値の比は一定です。

ずらす量比
半周期 π\pie−π≈0.0432e^{-\pi} \approx 0.0432
一周期 2π2\pie−2π≈0.00187e^{-2\pi} \approx 0.00187

振動はきわめて速く消えていきます。この一定の比の対数をとったものは対数減衰率と呼ばれ、減衰の度合いを測る指標として使われます。

左側の振る舞い

x→−∞x \to -\infty では e−xe^{-x} が発散するため、振幅は指数的に増大しながら振動します。同じ式でありながら、グラフの左半分と右半分ではまったく違う顔を見せます。

積分

∫0∞e−axsin⁡(bx) dx=ba2+b2\int_0^{\infty} e^{-ax}\sin(bx)\,dx = \frac{b}{a^2+b^2}

a=b=1a = b = 1 とすれば 12\dfrac{1}{2} です。この式はラプラス変換の基本公式にあたります。

応用

  • ばねとダンパーをつないだ振動系の過渡応答
  • RLCRLC 回路の減衰振動
  • 建物や橋の揺れが収まっていく様子

減衰が弱いときに振動が何度か往復してから消える、いわゆる不足減衰の様子を、そのまま描いた曲線です。

  1. Damping、Wikipedia