y=lnx1xy = \ln\dfrac{x}{1-x}

ロジット関数 y=lnx1xy = \ln\dfrac{x}{1-x} のグラフ

y=lnx1xy = \ln\dfrac{x}{1-x}ロジット関数と呼ばれ、0011 のあいだの確率を実数全体へ引き伸ばす関数です。ロジスティック関数の逆関数にあたり、統計や機械学習で確率を扱うときの標準的な道具になっています。

定義域と値域

真数が正である必要があるので x1x>0\dfrac{x}{1-x} > 0、すなわち 0<x<10 < x < 1 が定義域です。x0+x \to 0^{+} では -\inftyx1x \to 1^{-} では ++\infty へ発散するので、値域はすべての実数になります。幅 11 の区間が実数直線全体へ引き伸ばされる、という点がこの関数の役割そのものです。

漸近線と切片

22 直線 x=0x = 0x=1x = 1 が垂直漸近線です。x1x=1\dfrac{x}{1-x} = 1 となるのは x=12x = \dfrac{1}{2} のときなので、xx 切片は (12,0)\left( \dfrac{1}{2}, 0 \right)11 点です。

対称性

f(1x)=ln1xx=f(x)f(1-x) = \ln\dfrac{1-x}{x} = -f(x) が成り立ちます。したがってグラフは点 (12,0)\left( \dfrac{1}{2}, 0 \right) に関して点対称です。確率 xx と余事象の確率 1x1-x とで、値の符号だけが入れ替わることを意味しています。

増減と凹凸

y=lnxln(1x)y = \ln x - \ln(1-x) と分けて微分します。

y=1x+11x=1x(1x)y' = \frac{1}{x} + \frac{1}{1-x} = \frac{1}{x(1-x)}

定義域上つねに正なので単調に増加し、極値はありません。x(1x)x(1-x)x=12x = \dfrac{1}{2} で最大の 14\dfrac{1}{4} をとるので、傾きはそこで最小の 44 になり、両端へ向かうほど急になります。二階導関数は y=1x2+1(1x)2y'' = -\dfrac{1}{x^2} + \dfrac{1}{(1-x)^2} で、x=12x = \dfrac{1}{2} の前後で符号が変わります。変曲点は (12,0)\left( \dfrac{1}{2}, 0 \right) ただ 11 つで、そこより左では上に凸、右では下に凸です。

逆関数

yy について解くと ey=x1xe^{y} = \dfrac{x}{1-x} から次が得られます。

x=11+eyx = \frac{1}{1 + e^{-y}}

つまり逆関数はロジスティック関数であり、22 つのグラフは直線 y=xy = x に関して対称です。ロジスティック関数が実数全体を (0,1)(0, 1) へ押し込めるのに対し、ロジットは (0,1)(0, 1) を実数全体へ引き戻します。

逆双曲線正接との関係

artanht=12ln1+t1t\operatorname{artanh} t = \dfrac{1}{2}\ln\dfrac{1+t}{1-t}t=2x1t = 2x - 1 を代入すると lnx1x\ln\dfrac{x}{1-x} が現れます。すなわち区間 (0,1)(0, 1)(1,1)(-1, 1) に直してから逆双曲線正接をとったものと同じで、2artanh(2x1)2\operatorname{artanh}(2x-1) に等しくなります。

オッズと応用

x1x\dfrac{x}{1-x} は確率 xx に対するオッズで、その対数がロジットです。

確率オッズロジット
0.10.119\dfrac{1}{9}2.197-2.197
0.50.51100
0.90.9992.1972.197

ロジスティック回帰では、確率そのものではなくロジットを説明変数の一次式で表します。確率のままだと 00 以上 11 以下という範囲の制約がつきますが、ロジットに直せばその制約が消え、ふつうの線形モデルとして扱えるからです。ニューラルネットワークで活性化前の値をロジットと呼ぶのも、これに由来します。