関数 y=xx のグラフ
y=xx は、底と指数の両方が x である関数です。xa のようなべき関数でも ax のような指数関数でもなく、xx=exlnx と書き直してはじめて素性が見えてきます。
定義域
実数の範囲では x>0 に限られます。x が負だと exlnx の対数が定義できず、たとえば (−0.5)−0.5 は実数になりません。負の整数では (−1)−1=−1 のように値が定まりますが、区間としてつながらないのでグラフには描けません。
原点での振る舞い
x→0+ では xlnx→0 なので、次のようになります。
x→0+limxx=e0=1 00 という不定形が 1 に落ち着くことが、グラフの左端が高さ 1 に向かうことに現れています。x=0 は定義域に入らないので、その点は穴になります。
増減と極値
導関数は y′=xx(lnx+1) です。xx>0 なので符号は lnx+1 で決まり、x=e1 で極小かつ最小になります。最小値は次の値です。
(e1)1/e=e−1/e≈0.692 左端の 1 からいったん 0.692 まで下がり、そこから増加に転じるという、見た目に意外な形をしています。
凹凸
二階導関数は y′′=xx[(lnx+1)2+x1] です。角括弧の中は x>0 でつねに正なので全体が下に凸で、変曲点はありません。
増え方
| x | xx |
|---|
| e1 | 0.692(最小) |
| 1 | 1 |
| 2 | 4 |
| 3 | 27 |
| 4 | 256 |
整数点では値がそのまま nn です。これはどんな指数関数 ax よりも速く増えます。底そのものが大きくなり続けるからです。階乗との関係も深く、スターリングの公式 n!≈2πn(en)n が示すとおり、n! は ennn とほぼ同じ速さで増大します。
新入生の夢
0 から 1 までの定積分には、美しい級数表示があります。
∫01xxdx=n=1∑∞nn(−1)n−1≈0.7834 同じように ∫01x−xdx=∑n=1∞nn1≈1.2913 が成り立ちます。積分がそのまま同じ形の級数に化けるので、これらは新入生の夢(sophomore's dream)と呼ばれています。被積分関数を e±xlnx と指数級数に展開し、項ごとに積分すると導けます。
他の関数との関係
指数部分の xlnx は単独でも調べる価値のある関数で、その最小点がそのまま xx の最小点になります。また底と指数を入れ替えた x1/x=e(lnx)/x は、x=e で最大値 e1/e≈1.445 をとります。
| 関数 | 極値の位置 | 極値 |
|---|
| xx | x=e1 | 最小 e−1/e≈0.692 |
| x1/x | x=e | 最大 e1/e≈1.445 |
最小と最大が e1 と e で対をなしているのが面白いところです。